素晴らしい日本の四季
あっという間に十月となりました。
ついこのあいだまであれほどの猛暑に悩まされていたのに、季節の移ろいとは実に早いものです。
二、三日前までは二十九度もあった気温が、今朝は十八度と肌寒く、急な変化に身体がついていきません。
半袖で出かけるべきか、厚手の長袖にすべきか迷うこの頃。
しかも日中にはまた暑さがぶり返すこともあり、まことに気まぐれな天気に振り回されております。
お店でお出しする小鉢も、冷たいものより温かい方が美味しく感じられるようになり、献立を少しずつ秋仕様に変えてみました。
お味噌汁の保温温度も上げ、ほんのわずかではありますが、そんな小さな気配りも大切にしたいと思っています。
私自身、他のお店を訪ねたときに、そうした心遣いを感じると本当にうれしくなり、いただくお料理の味わいがいっそう深まる気がいたします。
お客様に「美味しい」と思っていただけるよう、これからも努力を惜しまず、全力で頑張ってまいりたいものです。
それにしても、近ごろは日本特有の四季の移り変わりが、だんだんと薄れてきたように感じます。
夏が長く続き、まるで一年の半分が夏になってしまったよう。
春や秋の穏やかな季節があっという間に過ぎ去ってしまうのは、なんとも寂しいことです。
かつては、草花の移ろいを愛で、実りの喜びを五感で味わうことこそ、日本に生まれた私たちの幸せでした。
けれども今や、当たり前だと思っていた季節の風景が変わり、山の動物たちが食を求めて人里へ下りてくるなど、思いもよらぬことが起きています。
気候の変化によって自然のサイクルが乱れ、これまで想像すらしなかった問題が次々と現れているのですから、心配でなりません。
美しい日本の四季を、再び取り戻すことができるのなら――。
その願いを胸に、せめて自分にできることを続けていきたいと思います。
ごみを減らし、少しでも環境を良くする努力を、これからも怠らずに。



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